病院事務総合職の日記帳

病院事務(総合職)のお仕事を愚痴りながら紹介します

接遇@言葉遣い

人と関わり合う仕事をしているなら、患者や客だけでなくても、誰に対しても言葉を選んで使うものだと思います。病院の事務職員であれば、最も気をつけるべきポイントだと思います。

しかし、これができない奴が中にはいるんですね。そういう奴に限って、何度も注意しても、叱責しても直らないものです。

普通の社会人であれば、注意されたり叱責されれば、その事に対して考え、少しずつでも正していくのが当たり前だと思います。

言葉遣いがなっていないと、仕事を舐めてんのか?とか何様よ?…とか、相手に悪印象しか与えないんですよね。
こういう存在に、椅子を与え続けても良いのでしょうか。答えはノーです。

病院事務は患者に対して、入口と出口で対応することがほとんどだと思います。つまり、何か変なことがあれば印象に残りやすいため、病院の顔である意識を持たなければならないと思うんですよ。

言葉遣いはその人の人間性みたいなものの印象を与えるので、ここはこんな奴を雇うような病院なのか、と思われかねないですし、他の職員からもその部署のイメージが悪くなって仕事もしにくくなってしまいます。

医事課にいるのであれば、仕事は多少できなくてもいいから、接遇だけはちゃんとしてほしい、と思います。
というか、さっさと医事課から出せや、ホントに…

医事課職員の目標

人事考課等で医事課職員が目標を立てる、と考えた時に、どんなことがあるかなとちょっと考えてみました。

医事課職員と言っても事務職員ですから、基本はルーチンワークなんですよね。毎年毎年考えるのはなかなか…という感じも否めません。

とりあえず医事課っぽい業務目標を考えてみます。

  • 査定率を減らす
  • 返礼件数を減らす
  • 待ち時間を減らす
  • 算定漏れを防ぐ
  • 計算ミスを防ぐ
というような事もあれば…

  • 接遇マナーインストラクターの認定を受ける
  • 医療事務資格を取る
  • 診療情報管理士の資格を取る

という感じで資格を得るというものもあります。
院内スタッフに向けた診療報酬勉強会の開催なんてのも良いかもしれません。

何となくやりたいことが見つかったら、ゴールを決めます。要はどの程度達成したいか、です。
簡単な例を言うと、査定率を0.15%以内におさめる、とか、査定の中でも病名漏れや算定ミスを前年の80%以下にする、といった感じですね。

そしたら今度は、それをどうやって成すか、ゴールまでのプロセスを考えます。
プロセスを考える上で最も重要なのが現状分析です。これが肝要で、これがしっかりできていないと目標達成は一気に困難になります。ただ漠然とやるだけでは効果は出にくいです。
査定率のことであれば、今のウチの病院の査定は何が問題かをしっかりと認識しなければなりません。

  1. 算定ミスが多い。
  2. 特に検査が多い。
  3. ほとんどが併科受診による重複あるいはまるめだった。
  4. これが改善できれば算定ミスは前年の半分以下になる可能性が高い。
  5. 月末に併科受診があって同日に検査をやってる患者を抽出して見てみよう。

…という感じに、的を絞ってやることを明確にした方が手当たり次第色々やるより効率が良いです。
こういう考え方は、いつまでも使うことができるので、一般職の内から人事考課で上司を利用して鍛えることをお勧めします。

1,2年位の若い職員は、まずは仕事を覚えて、凡ミスを減らしていくことが中心になるのかもしれません。ただ、そんな感じの目標でも、計算ミスを月◯件以内におさめるという感じで具体的な数値をあげてみて、やれることを考えて、実行することが大切だと思います。

運動器リハの初期加算・早期加算

運動期リハビリテーション料の初期加算・早期加算について少しだけ。

 

初期加算(14日)と早期加算(30日)について、平成28年度診療報酬改定により、急性疾患、手術、慢性疾患の急性増悪時とされました。また、リハビリテーションの起算日も慢性疾患においては診断日とされましたね。

 

で、慢性疾患の定義は何でしょうか?

慢性疾患 | 看護用語辞典 ナースpedia によりますと、慢性疾患(まんせいしっかん)とは、生活習慣病に代表されるように、治療 が長期にわたる病気の総称である。糖尿病高血圧高脂血症などに代表される。 慢性疾患に対して、症状が急激に表れる病気を急性疾患という。」 とされています。

私見ですが、運動期リハビリテーションの対象疾患で考えると、関節リウマチ変形性膝関節症といった疾患が代表的になるのかと思います。

となると、これらの疾患に対してリハビリテーションを開始した場合、診断日に注意する必要がでてきます。過去の診断、転医前の診断等々、確認する必要がでてきますね。

もちろん、急性増悪(1週間以内にFIMまたはBIで10以上低下)していれば、その時点で急性増悪と診断すれば良いのですが。

 

今は企画経営の業務がメインで、医事にはレセプト点検と一部の病棟の会計チェックしか触れていないのですが、その時の確認や、抜き打ちチェックをしてみると、この部分の確認がかなりお粗末なんですよね。

その担当者に聞いてみると、その疾患が慢性疾患に該当するのか、急性増悪してるのか、いつ診断されているのかとかがわからなくてそのまま、というケースがほとんどでした。また、要件もいまいち理解できていないようでした。(これは医事課としてどうなんだって話ですが)

 

実は慢性疾患の定義って、わからんくても診療報酬早見表からなんとなく想像できてしまうと思うんですよね。それは、運動器不安定症という疾患の説明文にバッチリと書かれているからです。

「運動器不安定症」とは|公益社団法人 日本整形外科学会

上記リンク先と同様の内容が診療報酬早見表にもしっかり記載されています。驚いたことに、ウチの医事課職員全員が、この定義について何も知りませんでした。

慢性疾患でリハ病名つけてリハビリを実施してますけど、実際には運動器不安定症でリハ病名をつけることが適切であるケースがほとんどであることを理解してほしいところではありますが、早見表の読み込み(そこまでがっついて読む必要はありませんが)はまだ足らないのかな、という印象ですね。

 

ただ、事務職員がこの疾患は慢性疾患となるかどうかの判断は難しいことなのかもしれません。その為、リハビリテーションを指示・実施する側がこの要件を正しく理解しておかないと、正しい医療費は算定されない可能性がある、ということを、わかっていてほしいです。まぁ何でもかんでも事務任せにするんじゃねーよってことです。

決めてほしいけど…

今年度の診療報酬改定は院内での業務運用を変えざるを得ない項目が多数ありました。

長期処方や湿布70枚以上、回復期FIM評価や目標設定等支援管理料、それに伴い介護保険の受給状況の把握、退院支援加算に関する他施設との連携方法の変更ナドナド…

部門毎あるいは複数部門と連携して考えられることもあれば、運営方針の決定が必要なものまでありますし、それらには必ず医事課が絡まなければなりません。

部門毎、複数部門と連携して考えなければならなかったことは全てクリアしましたが、運営方針の決定が必要な項目については、ほとんど進んでおりません。

単純に医事課の発信力不足かどうかを考えましたが、何れの項目も経営会議に提示していますし、改定説明会も回数を重ねて、各部門もやらなければならないことをしっかり理解していただけているので、それはなさそうです。

現在、意思決定の必要な項目の一つとして、FIM評価の部分(当院ではADL評価にBIを採用していたため)を進めていて、もう少しで完結するのですが、今更になって、報告するよう指示が出てきました。
確かに現場主導で検討を進めていますが、そもそもこれをやらなければ将来危険と説明しています。
なのでこちらからしたら、今更?となります。

これに限った話ではないですが、こういうことが多々あるんですよね。今回の新しい基準とかだって、とれるならとって、って何だそれって感じですよ…

医事課に最も必要なコト

医事課職員にとって最も重要なコトは何でしょうか?
早くて正確な医療費請求でしょうか?
正しいレセプト作成でしょうか?

私は接遇だと考えています。
病院に来る人は何かしら心身に問題がある人ばかりです。何でもかんでも優しくしろとは言いませんが、適切に医療を受けてもらうように、しっかりと訴えを聞き、適切な対応を心がける必要があると思います。
事務職員は医療の素人ですから、最も患者に近い視点で物事を考えられると思います。これは事務職員の強みにもなります。

また、接遇は対患者だけではなく、院内スタッフに対しても考えなければなりません。
医事課であれば、算定に際して他の職種と絡む場面がしばしばあります。基本的に医療職は、自分が提供する医療や使った材料の価格を知りませんし、お金(診療報酬)の話は煩わしくて聞きたくもない人も多いですから、それなりのコミュ力は求められてしまいます。接遇とはちょっと違いますがね。

まあそんなこんなで、やっぱり患者と目線を合わせること、気配りができることが大事だと思います。
事務職員は医療職でないので、クレームもつきやすいですし、病院に入って一番最初に応対するわけですから、なんかやらかせば印象にも残りやすいです。
是非ともウチの一部の事務職員にも意識してもらいたいものです。まあ、大抵は言えば理解してくれますが、返事だけの奴もいるんですよねぇ…


FIM実績指数について②

4月下旬から、看護科、理学療法科、作業療法科と私で、どうやってFIMを計測し管理していくか、自主的に検討を進め始めました。
なかなか病院から指示が出ないので、業を煮やした?看護長や主任理学療法士が声をかけてくれました。ありがたいです。

そんなこんなで、このチームでの私の役割は素人目線からの指摘と、管理のシステム化、データ分析です。
システム化と言っても電算システムではなく、医事的に問題なくシステマチックに管理していくための手法の提案と決定ですね。
もちろん電算対応の検討もシステム屋と話をしていますが、これは本部や他の病院にも絡む話なので、本部とシステム屋との緩衝役です。

最終的にはカルテ(紙)とデータ管理の2つのシート(Excel)を使って管理をしていく運用となり、現在試験運用中です。
問題は今のところなさそうなので、電算システムに対応するまではこの方式でいけそうです。

FIM実績指数の計測やデータ管理これで良いのですが、問題は除外患者の選定ですね。
除外する場合は入棟した月のレセプトにその旨と理由を記載する必要があるので、入棟後の評価やその後の短い期間で判断しなければなりません。

ここを今後どうしていくか、それと実績指数を上げるためにはFIM利得を上げるか在院日数の縮小しかありませんから、既に色々つついていますが、閑散期対策をしっかり講じなければならないです。

ちなみに4月入棟患者の選別はミーティングを重ねたり、統計データを分析してみたりして選別をしています。年齢はあんまり関係なさそうかな?

限度額適用認定証について

前回の記事<食事療養費の引き上げについて - 病院事務のぼやき>で未収金という言葉を使ったので、今回はそれに関連する?保険制度のお話です。

 

70歳未満の方が入院することになってしまった等で、医療費が高額になりそうなとき、必ず申請してほしいのが限度額適用認定証の交付です。

元々、高額療養費制度というものがあって、これ病院窓口で支払う医療費が高額となってしまった場合に、健保組合等に申請することで、自己負担限度額(これは収入によって異なります)を超えた分が戻ってくる、という制度です。

この制度では、あとから戻ってくるとはいえ、病院で高額の医療費を支払うことは変わらんので、その時の負担としては大きなものとなってしまいますよね。

限度額適用認定証は事前に申請して交付してもらうことで、窓口で支払う金額を自己負担限度額までで抑えられますので非常に便利です。(ちゃんと病院の窓口に提示しないとダメです。)

ぜひ活用してください。

 

また、限度額適用認定証については協会けんぽのホームページで説明されていますので見てみてください。

医療費が高額になりそうなとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 

ちなみに、70歳以上の人たちは交付されている保険証にすでに限度額が決められているので、この申請は不要です。