病院事務総合職の日記帳

病院事務(総合職)のお仕事を愚痴りながら紹介します

言い方が悪いと言うだけの批判

医事課と企画課の兼務状態なので、経営状況や院内のベッドコントロールといった運用に口を出しまくり、新しい提案をしまくります。課題を解決するために、事業計画を達成するために。

現場の比較的若い職員や管理職は理解を示してくれ、協力してくれるんですが、経営幹部は決まってこう言います。

「言い方が悪い。」

つまり生意気ってことをなんでしょう。はたまたそんなことは分かっている、ということでしょうか。

でも、実際は、伝えれば現場は理解してくれ動いてくれます。分かっていたなら何故やらないのでしょうか?現場では(一部の部署を除いて)生意気な若造が言ったって動いてくれるわけですから、トップが言えばもっと早く動くと思います。

私の目標は事業計画達成です。計画達成して人事考課A評価以上をもらい、賞与も計画以上をもらうことです。その為に経営状況や院内の運用を徹底的に客観的に分析して課題を見つけ、問題解決のプロセスを考えます。そしてそれを伝えて、チェック&フォローをします。
数字をそのまま伝えるのが言い方が悪いと言いますが、そこをオブラートに包んでやんわりと言ったところで危機感まで伝わるのでしょうか?

ただ、現場に伝わってもトップには伝わっていないということですので、両方にしっかり伝わるように改善はしなければなりません。

普通逆だと思うんですけどね…

他の検査で代替できない理由を記載すること

支払基金から指摘を受けました、他の検査で代替できない理由を記載して下さい、と。

今回の改定では企画に回っていたので、各項目の細かい細かいところはあまり見ていませんでした。まあ、私が隅から隅まで見るのもおかしな話ですが。

従来のリウマトイド因子半定量のように、他の検査で代替できない理由を記載しなければならない検査って結構あるんですね…
そんな検査でウチの病院はヘパプラスチンテストとZTTが指摘されました。

医師にこの理由を聞いても、レセプトに書けるようなまともな回答はきませんので困ったもんです。
ただ、点数自体大したことはないので、査定されたところでたかが知れてるわけで、よくわからんもんに時間をかけるのはもったいないです。

だから指摘に対してあえて「査定して下さい」と回答しました。何も言わないと返戻になるでしょうし、戻ってきたらそれはそれで面倒です。
そんな査定を防ぐより、リハビリ総合計画評価料とか色んな指導料の算定を1件でも増やした方が良いですから。

ただ、実際何のためにこの検査をしているんでしょうか?何となく気にはなりますね。
オーダーシステムにセット登録されてるから、とかくだらない理由じゃなければ良いですが(笑)

改定対応は現場に丸投げ

病院経営・運営は診療報酬点数表に振り回されます。

これはどんな病院でもそうなんだと思います。

ここ最近の診療報酬改定は単なる点数の改定ではなく、病院の方向性や人の働き方にまで口を出してきていますので、その傾向はより強くなっているんじゃないでしょうか。

 

ウチの病院では、今回の改定でリハビリテーション関連に大きな影響がでてしまったので、現場はどう対応していくか、医事課によく相談しにきてくれました。

しかし、焦るのは現場であって、経営陣は他人事です。これには大きく悩まされました。

 

今回の改定で、大きな運用変更を余儀なくされたのは、入院患者のADL評価でした。

当院ではすべての病棟において、BI(Barthel Index)という評価する側が比較的わかりやすい指標を用いていたのですが、回復期リハビリテーション病棟の実績報告ではFIM( Functional Independence Measure)という指標を使わなければならず、4月からそれに対応せざるを得なかったわけです。

院内のADL評価をBIからFIMに変えなくてはならず、FIMはBIに比べて評価項目、評価段階が細かいため、リハビリセラピストは問題なかったのですが、看護師を早急に教育する必要がありました。

リハビリセラピストは、リハビリの時間だけ患者と接するわけで、常に患者と接しているのは看護師です。トイレ動作、お風呂動作といった、日常の機能についてはリハビリセラピストよりも看護師の方が見る機会も多いですし、FIMの基礎知識がなければ担当するリハビリセラピストにも正しい情報が行きません。

 

院内の機能評価をBIからFIMへ一斉に変えるわけですから、医師や他のスタッフの理解を得る以上、経営陣がやはり決めてほしい部分ではあります。トップダウンというやつです。

医事課が、こういう要件がついてしまった以上FIMに変えなくてはならない、と言ったところで、臨床上のことですから、事務があれこれ決めるのはやはり問題があるでしょうし、スタッフも事務のくせに臨床に口を出すな、となるでしょう。

今回、BIからFIMへの運用変更は結局現場主導、そして丸投げという状況に陥りました。陥った結果、一般病棟と一部の医師は我関せずを決め込んでしまっています。

その結果、回復期リハ病棟のスタッフはかなり苦労を強いられています。幸い、一般病棟のスタッフは説得して協力してくれるようになりましたが…

 

今回、改定の中のFIMを例にしましたが、これに限らず経営陣は診療報酬改定に対して他人事なんですよね。

聞いたところで良くわからない、と言われましたが、こっちからしたら言ったところで理解する気が無いでしょ?と思います。こちらは何度も説明会を開いているのに、参加すらしないわけですから。

今後の診療報酬改定を考えたら、新しい基準の取得や施設基準のランクアップをこれからも考えなければなりません。5年後、10年後、ウチの病院はどんな病院になるのでしょう?ビジョンが見えなければスタッフも患者も離れていくばかりではないでしょうか?

 

施設基準、取れそうなら取って、じゃないんですよ。

取るために何をするかを考えてください。考えられないのであれば、取るために何をすればいいか考えろ、と言ってください。

接遇@言葉遣い

人と関わり合う仕事をしているなら、患者や客だけでなくても、誰に対しても言葉を選んで使うものだと思います。病院の事務職員であれば、最も気をつけるべきポイントだと思います。

しかし、これができない奴が中にはいるんですね。そういう奴に限って、何度も注意しても、叱責しても直らないものです。

普通の社会人であれば、注意されたり叱責されれば、その事に対して考え、少しずつでも正していくのが当たり前だと思います。

言葉遣いがなっていないと、仕事を舐めてんのか?とか何様よ?…とか、相手に悪印象しか与えないんですよね。
こういう存在に、椅子を与え続けても良いのでしょうか。答えはノーです。

病院事務は患者に対して、入口と出口で対応することがほとんどだと思います。つまり、何か変なことがあれば印象に残りやすいため、病院の顔である意識を持たなければならないと思うんですよ。

言葉遣いはその人の人間性みたいなものの印象を与えるので、ここはこんな奴を雇うような病院なのか、と思われかねないですし、他の職員からもその部署のイメージが悪くなって仕事もしにくくなってしまいます。

医事課にいるのであれば、仕事は多少できなくてもいいから、接遇だけはちゃんとしてほしい、と思います。
というか、さっさと医事課から出せや、ホントに…

医事課職員の目標

人事考課等で医事課職員が目標を立てる、と考えた時に、どんなことがあるかなとちょっと考えてみました。

医事課職員と言っても事務職員ですから、基本はルーチンワークなんですよね。毎年毎年考えるのはなかなか…という感じも否めません。

とりあえず医事課っぽい業務目標を考えてみます。

  • 査定率を減らす
  • 返礼件数を減らす
  • 待ち時間を減らす
  • 算定漏れを防ぐ
  • 計算ミスを防ぐ
というような事もあれば…

  • 接遇マナーインストラクターの認定を受ける
  • 医療事務資格を取る
  • 診療情報管理士の資格を取る

という感じで資格を得るというものもあります。
院内スタッフに向けた診療報酬勉強会の開催なんてのも良いかもしれません。

何となくやりたいことが見つかったら、ゴールを決めます。要はどの程度達成したいか、です。
簡単な例を言うと、査定率を0.15%以内におさめる、とか、査定の中でも病名漏れや算定ミスを前年の80%以下にする、といった感じですね。

そしたら今度は、それをどうやって成すか、ゴールまでのプロセスを考えます。
プロセスを考える上で最も重要なのが現状分析です。これが肝要で、これがしっかりできていないと目標達成は一気に困難になります。ただ漠然とやるだけでは効果は出にくいです。
査定率のことであれば、今のウチの病院の査定は何が問題かをしっかりと認識しなければなりません。

  1. 算定ミスが多い。
  2. 特に検査が多い。
  3. ほとんどが併科受診による重複あるいはまるめだった。
  4. これが改善できれば算定ミスは前年の半分以下になる可能性が高い。
  5. 月末に併科受診があって同日に検査をやってる患者を抽出して見てみよう。

…という感じに、的を絞ってやることを明確にした方が手当たり次第色々やるより効率が良いです。
こういう考え方は、いつまでも使うことができるので、一般職の内から人事考課で上司を利用して鍛えることをお勧めします。

1,2年位の若い職員は、まずは仕事を覚えて、凡ミスを減らしていくことが中心になるのかもしれません。ただ、そんな感じの目標でも、計算ミスを月◯件以内におさめるという感じで具体的な数値をあげてみて、やれることを考えて、実行することが大切だと思います。

運動器リハの初期加算・早期加算

運動期リハビリテーション料の初期加算・早期加算について少しだけ。

 

初期加算(14日)と早期加算(30日)について、平成28年度診療報酬改定により、急性疾患、手術、慢性疾患の急性増悪時とされました。また、リハビリテーションの起算日も慢性疾患においては診断日とされましたね。

 

で、慢性疾患の定義は何でしょうか?

慢性疾患 | 看護用語辞典 ナースpedia によりますと、慢性疾患(まんせいしっかん)とは、生活習慣病に代表されるように、治療 が長期にわたる病気の総称である。糖尿病高血圧高脂血症などに代表される。 慢性疾患に対して、症状が急激に表れる病気を急性疾患という。」 とされています。

私見ですが、運動期リハビリテーションの対象疾患で考えると、関節リウマチ変形性膝関節症といった疾患が代表的になるのかと思います。

となると、これらの疾患に対してリハビリテーションを開始した場合、診断日に注意する必要がでてきます。過去の診断、転医前の診断等々、確認する必要がでてきますね。

もちろん、急性増悪(1週間以内にFIMまたはBIで10以上低下)していれば、その時点で急性増悪と診断すれば良いのですが。

 

今は企画経営の業務がメインで、医事にはレセプト点検と一部の病棟の会計チェックしか触れていないのですが、その時の確認や、抜き打ちチェックをしてみると、この部分の確認がかなりお粗末なんですよね。

その担当者に聞いてみると、その疾患が慢性疾患に該当するのか、急性増悪してるのか、いつ診断されているのかとかがわからなくてそのまま、というケースがほとんどでした。また、要件もいまいち理解できていないようでした。(これは医事課としてどうなんだって話ですが)

 

実は慢性疾患の定義って、わからんくても診療報酬早見表からなんとなく想像できてしまうと思うんですよね。それは、運動器不安定症という疾患の説明文にバッチリと書かれているからです。

「運動器不安定症」とは|公益社団法人 日本整形外科学会

上記リンク先と同様の内容が診療報酬早見表にもしっかり記載されています。驚いたことに、ウチの医事課職員全員が、この定義について何も知りませんでした。

慢性疾患でリハ病名つけてリハビリを実施してますけど、実際には運動器不安定症でリハ病名をつけることが適切であるケースがほとんどであることを理解してほしいところではありますが、早見表の読み込み(そこまでがっついて読む必要はありませんが)はまだ足らないのかな、という印象ですね。

 

ただ、事務職員がこの疾患は慢性疾患となるかどうかの判断は難しいことなのかもしれません。その為、リハビリテーションを指示・実施する側がこの要件を正しく理解しておかないと、正しい医療費は算定されない可能性がある、ということを、わかっていてほしいです。まぁ何でもかんでも事務任せにするんじゃねーよってことです。

決めてほしいけど…

今年度の診療報酬改定は院内での業務運用を変えざるを得ない項目が多数ありました。

長期処方や湿布70枚以上、回復期FIM評価や目標設定等支援管理料、それに伴い介護保険の受給状況の把握、退院支援加算に関する他施設との連携方法の変更ナドナド…

部門毎あるいは複数部門と連携して考えられることもあれば、運営方針の決定が必要なものまでありますし、それらには必ず医事課が絡まなければなりません。

部門毎、複数部門と連携して考えなければならなかったことは全てクリアしましたが、運営方針の決定が必要な項目については、ほとんど進んでおりません。

単純に医事課の発信力不足かどうかを考えましたが、何れの項目も経営会議に提示していますし、改定説明会も回数を重ねて、各部門もやらなければならないことをしっかり理解していただけているので、それはなさそうです。

現在、意思決定の必要な項目の一つとして、FIM評価の部分(当院ではADL評価にBIを採用していたため)を進めていて、もう少しで完結するのですが、今更になって、報告するよう指示が出てきました。
確かに現場主導で検討を進めていますが、そもそもこれをやらなければ将来危険と説明しています。
なのでこちらからしたら、今更?となります。

これに限った話ではないですが、こういうことが多々あるんですよね。今回の新しい基準とかだって、とれるならとって、って何だそれって感じですよ…