FIM実績指数について
回復期リハビリテーション病棟を有する保険医療機関について、当該病棟におけるリハビリテーションの実績が一定の水準に達しない保険医療機関については、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者に対して1日に6単位を超えて提供される疾患別リハビリテーション料を、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括する。
という改定です。
具体的には、過去6か月間のリハビリテーションの実績が1日平均6単位以上であって、退棟時のFIMから入棟時のFIMを引いた値を、入棟日数を標準的算定日数で割った値が27未満であった医療機関は、6単位を超える、つまり7単位目以上の疾患別リハ料を包括する、というものです。
事務的に言ってしまえば、FIM稼いでさっさと退院させれば問題ない、という話になりますが、それぞれの患者のゴール・目標等も考えると、リハビリテーション医療的にはそういうわけにもいかないでしょう。
一応、計算から除外してもよいとされる患者が以下の条件となっています。
- FIM運動項目得点が20点以下
- FIM運動項目得点が76点以上
- FIM認知項目得点が25点未満
- 年齢が80歳以上のもの
※上記4点は、月毎の入棟患者数の3割まで除外してもよいとされています。
※高次脳機能障害はすべて除くか、すべて計算に入れるかのどちらか。
言ってしまえば、FIMで評価をした場合にリハビリテーションの効果が出にくい人たちは除外してもよい、ということになります。
ただし、除外する場合はその患者が入棟した月のレセプトを提出するまで、となっています。レセプトに除外する旨と理由を記載しなければなりません。
と、言うわけで現在当院ではだれがどうやって管理すんのか揉めております。
前月の段階で、こうやったらどうでしょう?という提案をして、システムが対応するまではそれでいきましょうか、みたいな流れになっています。
そっから上の人たちに任せてますが、話が進んでないみたいですね。
まいったねこりゃ。
効率化はしますけど
人件費を削減しましょう
と、言われることは多々あります。
要は残業減らしましょうということなんですが…
そもそも残業しても残業代つけてくれないくせに何言ってんだコイツ
っていうのが我が職場でございます。
まあ、つかないから仕事終わったらさっさと帰っているので、残業自体は大分減っていますが。
最初の頃は、仕事をパパッと片付けてしまうと大体は突然に別の仕事を振られたりもして、残業時間は変わらず業務量が増えるという嫌なスパイラルに陥っていました。
今もそうなんですが、慣れてしまったせいか残業自体は減っています。
本部は人件費を減らしたいから、病院が新規事業をやると言っても人の採用を認めない傾向にあります。今いる人材で何とかしろ、とね。
それで結局、改定やら地域の動向やらに乗り遅れて痛い目にあって、病院が責められるんですよね。何やってんだオマエラ、とね。
安い給料で質を上げろとか、環境変えるのは金かかるから今の状態で質を上げろとか、いや?…やってくれる人は少ないと思いますよ。そんなうまい話あるわけないない。
チャレンジ
スポーツにしろ仕事にしろチャレンジすることは大切だと思います。
病院事務でチャレンジすることって何があるんでしょうか?というお話です。
病院事務、まあ事務は事務なので基本はルーチンワークになりますね。例えば外来会計担当ならひたすら診療の終わったカルテを見て会計入力して、必要な病名をさらっと登録して…の繰り返しです。
私は、チャレンジといえるようなチャレンジでは無いのかもしれませんが、質を高めたり速さを求めたりすることもチャレンジだと思っています。
そんなのやって当然じゃん、と思う方もいると思いますが、意外とやらない、やれない人も多々います。時間がとれない、どうやればいいかわからないと言った理由もありますし、最初からそんなこと考えないなんて輩もいますね。
日々ルーチンワークをこなすだけってのは、好きな人もいるんでしょうけど、私は嫌いです。楽しくないから。
どうやったら速くなるかな、どうやったらミスが減るかなっていうように、いろいろ考えてそれをやってみて…って結構楽かったんですよね。
目にみえてミスが減って残業も減って…ダメなら他の方法を考えて試して…と。
世間でいう問題解決のスタートラインってこんなことだと思います。
時間がとれないならどうやったら時間がとれるのか考えればいいし、やり方だって色々調べたりしても良い、他の人に相談したって良いと思います。上司からしたら、部下からそんな相談されたら嬉しいですよ。少なくとも私は嬉しく思います。上司に対して忙しそうだからとか気を遣う必要なんてないんですよ。
ルーチンワークは色んな業務の土台ですから、そこの質を高めるためにチャレンジするのはとても重要なことだと思います。そしてそれを上司や組織がしっかり評価してあげなければならないと思います。
長期処方と湿布薬について
4月以降、長期処方と湿布の大量処方が少し面倒くさくなりますね。
長期処方は30日を超える投薬の場合は、医師が病状が比較的安定していることを確認して、何かあった時の対応とかをしっかり説明しなければなりません。この証拠を残すためにカルテ記載とかが必要になっちゃいますね。
湿布は70枚以上出すときにその必要性や1日量を処方箋とレセプトに記載する必要があります。
これはなかなか面倒です。
何が面倒って、医師への説明もそうだし、患者からの文句もあるでしょうし、ルールを守らない医師も絶対出てくるからです。
とはいえ、対応しないわけにはいきません。
既に薬局と話し合い、対応済みではありますが…
とりあえず、患者に説明するときに医者が
「医事課がダメって言ってるから」
なんて言わないことを祈ります。
そんな医師がいるのかって思いますが、いるんですよね。医師としてどうなんだって感じです。
前科があるからホント怖いですよ。
ちなみに、医事課からは長期処方とかはダメです、制限します、なんて言いませんよ。そら抑えてくれた方がラクだし、再診増えるから収益も上がるし嬉しいですけど。
長期処方や湿布の大量処方はルールを守って下さいねって言うだけです。
診療報酬改定説明会に参加
3月2日にグランシップ静岡で行われた診療報酬改定説明会に参加してきました。
ウチの病院は事務員が私含めて2人の参加です。
今まで中医協で出されていた資料を読み込んでいたおかげか、目新しい話はありませんでしたが、講演者の方はやはり話が上手いですね。
言い回し等も今後行う院内説明会でも参考にしたいと思います。
たまたま隣に座っていた方が某病院の先生(副院長って聴こえたような気がします)だったり、前の病院でお世話になった看護師さんがいたりしたので、結構色んな職種の方がいらっしゃるようでした。
医療の現場でも診療報酬を知らないと、という意識がある良い病院なのでしょう。(ポーズかもしれませんが)
やはり思うのが、こういった話は経営者が率先して聞くべきだと思うんです。病院の方針を決めるのはやはり経営者、リーダーなのですから。
前々回くらいから、単なる点数改定ではなくなっているのは明らかです。
今後どうなるかは我々は分析しています。だから、これからどうするか、足りない資料は何かといったところをしっかりと示してほしいものですね。
目標設定支援・管理料について
目標設定等支援・管理料についてです。
算定要件は以下
1) 脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、運動器リハビリテーションを実施している要介護被保険者等に以下の指導等 を行った場合に、3月に1回に限り算定する。
① 医師及びその他の従事者は、共同して目標設定等支援・管理シートを作成し、患者に交付し、その写しを診療録に添付する。
② 医師は、作成した目標設定等支援・管理シートに基づき、少なくとも次に掲げる内容について、医師が患者又は患者の看護に当たる家族等に対して説明し、その事実及び被説明者が説明をどのように受け止め、ど の程度理解したかについての評価を診療録に記載する。
ア) 説明時点までの経過
イ) 治療開始時及び説明時点のADL評価(Barthel Index又はFIMによる評価の得点及びその内訳を含む。)
ウ) 説明時点における患者の機能予後の見通し
エ) 医師及びその他の従事者が、当該患者の生きがい、価値観等につ いてどう認識しており、機能予後の見通しを踏まえて、患者がどのような活動ができるようになること、どのような形で社会に復帰で きることを目標としてリハビリテーションを行っているか、又は行う予定か。
オ) 現在実施している、又は今後実施する予定のリハビリテーションが、それぞれの目標にどのように関係するか。
③ ①及び②の交付、説明は、リハビリテーション実施計画書の説明、又はリハビリテーション総合計画書の交付、説明の機会に一体として行って差し支えない
④ 当該患者が、以後、介護保険によるリハビリテーション等のサービス の利用が必要と思われる場合には、必要に応じて介護支援専門員と協力 して、患者又は患者の看護に当たる家族等に介護保険による訪問リハビ リテーション、通所リハビリテーション等を提供する事業所(当該保険 医療機関を含む。)を紹介し、見学、体験(入院中の患者以外の患者に限 る。)を提案する。
(2) 脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション又は 運動器リハビリテーションを実施している要介護被保険者等のうち、標準的算定日数の3分の1を経過したものについて、直近3か月以内に目標設 定等支援・管理料を算定していない場合、当該リハビリテーション料の 100 分の 90 を算定する。
※経過措置:目標設定等支援・管理料を算定していない場合の脳血管疾患等リハビリテ ーション料、廃用症候群リハビリテーション、運動器リハビリテーション料 の減算については、平成28年10月1日から実施する。
介護保険への移行を強調してた背景から2月の答申時点では外来の維持期が対象かなと思いそうになりましたが、入院も対象ですね。
しかも患者単位での考え方になりますので、他院で治療&リハ→転院して自院で外来リハなんてケースだと、いきなりこれを算定しなければならないケースになります。
減算は10月1日からですが、早期に取り組んで運用を確立しないと収益に大ダメージを与えてしまいますね。結構エグいと思います、これは。
私は私で動いていますが
上の人たちはどういう判断をしますかね?
また、現場で何とかしてくれるだろう、とか思っちゃいませんか?
プロフィール
とある企業の社内SE(という名の便利屋)から病院事務に転職しました。
現在6年目で、一応主任となります。
病院事務と言っても、それは医療事務だけではありません。庶務や経理、施設・備品や企画、営業(地域連携室や健康管理センター)なんていう部署もあります。
私は現在、医事課に身を置きつつ、企画の仕事も兼務していたりします。
担当業務というものが、医事統計という経営指標の管理だったり医事全般の算定状況やデータ等の管理だったり、日計表をみたりとかで、病棟や外来に直接関わるような業務ではないのでかなり自由に仕事をさせてもらっています。
おかげで平成27年度はいろんな部署のいろんな人と関わることができましたし、経営にもかなり足を突っ込ませてもらえました。
まぁそんな感じで、現場担当よりも少しばかり高い目線で、病院の仕事を紹介したいと思います。