摂食機能療法の算定件数が伸びないのは何でかな
平成28年度診療報酬改定で摂食機能療法では対象患者の考え方が広がりました。
- 発達遅滞、顎切除及び舌切除の手術又は脳血管疾患等による後遺症により摂食機能に障害があるもの
- 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影によって他覚的に嚥下機能の低下が確認できるものであって、医学的に摂食機能療法の有効性が期待できるもの
2の部分が増えた形になります。ざっくり言ってしまえば、脳血管疾患の患者でなくても、検査でしっかり診断がつけばオーケーという内容になり、対象がかなり広がりました。
じゃあ算定件数は上がったのか?というと当院では残念ながら横ばいでした。(算定漏れもありましたが、それも込みです。)
算定件数が伸びなかった理由は以下でした。
- 言語聴覚士や看護師視点で必要な感じだったけど、脳血管疾患ではないため検査での評価が必要だった。しかし、医師がいつまでたっても検査指示をしないため、算定にはならなかった。
- 実際に行う際は看護師が行なっているが、他の業務が多く、介入したくても介入できない、というケースが多く、実施できない。
機会損失が多かった、という感じですね。
以前にもこういうケースがありましたが、問題として意識されずスルーされていましたが、未だにスルーされています。病棟は算定に繋げたいという思いはあるのに、です。
普通の経営をしている病院からすれば何とも馬鹿げた話だと思います。リハビリテーションが売りの病院でこれですからね。
ウチの病院は地域包括ケア病棟と回復期リハ病棟がありますが、両方とも出来高で算定できます。
看護師ができないなら、理学療法士や作業療法士がやればいい。地域包括ケア病棟なんてリハビリテーションは包括です。(個人的にですが、セラピストは単位とってなんぼみたいな考え方はもう古いと思います。)
また、歯科衛生士を雇って彼らに管理させても良いと思います。
看護師の時間がないなら助手やクラーク増員するなり、採血とかの検体採取をもっと臨床検査技師にやらせれて時間を作ればいいと思います。
ずーっと言い続けてることですが、これだけ診療報酬が、医療が、働き方が変わってきているのに、病院はなかなか変わろうとしません。考え方をすこし変えるだけでできることがいっぱいあるのに。
医事課がうるさく言ってようやく動く、なんて非常に馬鹿げた話だと思います。