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病院事務総合職の日記帳

病院事務(総合職)のお仕事を愚痴りながら紹介します

地域包括ケア病棟をどう考えるか

なんとなく感じていることですが…地域包括ケア病棟をどう使えばいいのか、まだあまり理解されてないように思います。

ウチの病院はこの地域では最も早く地域包括ケア病棟を導入し、稼働も比較的高い水準にあるようです。この地域における地域包括ケア病棟の先駆け的な感じになっていて、近隣のいくつかの病院も話を聞きに来てくれます。

 

よく聞かれるのが以下のようなことです。

  • どういう患者が対象になるのか
  • どうやって患者を確保しているのか
  • 病棟内ではどのようなことをやるのか
  • 回復期リハビリテーション病棟と比較して、リハビリ提供量はやはり少ないのか

今回は、どういう患者が対象になるのか、というところを少し語ります。

 

対象患者は必ず聞かれます。確かに要件を見ると、よくわからないんですよね。

地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料(以下「地域包括ケア病棟入院料等」という。)を算定する病棟又は病室は、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受け入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支える役割を担うものである。

要は「一定の治療は終わったけど、在宅や施設での療養に不安の残る患者を受け入れて、在宅での生活に戻るための様々な手助けを行う病棟」なので、回復期リハビリテーション病棟のようにリハビリテーションを集中的に行う必要がある患者しか受け入れられないとか、そういった患者の状態による縛りみたいなものがないです。

広くいってしまえば、回復期リハビリテーション病棟だって「一定の治療は終わったけど、在宅や施設での療養に不安の残る患者を受け入れて、在宅での生活に戻るための様々な手助けを行う病棟」に該当してしまいます。この在宅での生活に戻るための様々な手助けが「集中的なリハビリテーション」となりますから。

 

じゃあ実際にどのように答えているのか、というと、それは相手先の病院によって異なります。

例えば、急性期病院には「回復期リハビリテーション病棟の対象となる患者は回復期リハビリテーション病棟で受け入れますが、それ以外の患者はある程度の治療が終わっていれば地域包括ケア病棟で受け入れます。」と答えます。単純骨折だけど高齢のためにリハビリテーションが必要な患者、というような回復期リハビリの対象から外れる患者も、急性期病院は高回転で病床を動かすことができます。

また、同じように回復期リハビリテーション病棟を持つ病院には、「回復期リハビリテーションの期限を迎えそうな患者を、当院では引き続きゴールに向けてリハビリテーションを提供することができます。」と答えたりします。

地域に緩和ケア病棟が無ければ、地域包括ケア病棟で緩和ケアを提供することだってできます。

つまり、地域によって足りない医療を、人的資源にもよりますが、地域包括ケア病棟を活用することで高い経済性を維持しながら、提供できるわけです。

 

ちなみにウチの病院は…

  1. 回復期リハビリテーション病棟の対象外となる、個別リハビリが必要な患者
  2. 回復期リハビリテーション病棟入院料の算定期限を超えて、さらにリハビリテーションが必要な患者
  3. 在宅で生活する上でポイントオブケアリハビリが必要な患者
  4. 急性期治療は終わったが、軽い治療を継続して行う必要がある患者
  5. 糖尿病や関節リウマチ等の患者教育が必要な疾患の教育入院
  6. 介護度が高い在宅患者のレスパイト
  7. 在宅療養中にちょっとした急性疾患に罹患した患者の治療
  8. がん治療後のリハビリテーション抗悪性腫瘍剤の投与も有り)

こんな感じで医療を提供しています。相談が来てお断りするケースはあまりありません。ただ、医師の数はそこまで多くないのと診療科に偏りがあるので、医師によっては専門外すぎて診療できないケースもありますが…

 

上手に使えば、急性期病床は回転が上がるので、急性期も機会損失は減りますし高単価も維持できます。回復期も、本当にリハビリテーションが必要な患者にリハビリテーションを継続して提供することもできますし、在宅でどうしようもない患者も受け入れて十分なリハビリテーションを提供することができます。

個人的には、地域包括ケア病棟は、その地域にとって「痒い所に手が届く」そんな病棟ではないかと思います。

 

その他のよく聞かれることについてはまた後日まとめたいと思います。