病院事務総合職の日記帳

病院事務(総合職)のお仕事を愚痴りながら紹介します

包括だから追加病名は無しで良いという風潮

レセプトで個人的にあまりよろしくないなあと思うことがあります。

 

算定は包括だから、レセプトにのらないから病名もあえて記載する必要が無い、という風潮です。

 

これはウチの病院に限ったことかもしれませんが…

 

確かに、レセプトさえ通ればという考えもありますし、私自身その考え方が強い傾向にあります。

ただ、疾病統計等、病歴からデータをとるとなると、基本はレセプト病名です。そのため、そういったデータを重視する場合に、レセプトさえ通ればいいや、なんて考えは許されなくなるわけです。

 

例えば…

肺炎の患者の医療資源投入量を調べたい、なんて依頼がきたときに、抗生剤に対する病名は、算定は包括だからレセプトに記載していない、なんてことがあれば、肺炎の患者のサンプルが減ってしまうわけです。

データを集計してみたときに、あまりにも医療資源投入量が多い症例が多いという結果が出ていたら、本来は地域包括ケア病棟ではなく一般病棟に入棟させるべきだと思いますが、そういったデータを示すことが困難になってしまうので、経営的にはあまり好ましくありません。

 

いちいち包括されたもの全てに対して、しっかり入れる必要なんてありませんが、入院契機となった病名やリハビリ病名等レセプトに必要な病名の他、点滴や手術処置等くらいは、包括だからと言っても、病名は記載すべきなんだと思います。

肺炎➡︎治療➡︎廃用症候群なら回復期リハビリテーション病棟の対象にもなります。しっかり病名を記載しておけば、返戻やら辻褄合わせやら考える必要はなくなります。

 

こんな感じで、レセプトだけ考えた場合にはちょっと無駄な作業かもしれませんが、経営的には好ましいことが多いんじゃないかなと思います。

 

まあこんなこと考えてみたのは、地域包括ケア病棟入院で廃用症候群の病名だけっていうレセプトをみてしまったからなんですが…

さすがにこれは無しですよ。

データ提出加算について

私は医事課の主任となってますが、診療情報管理室の管理も任されています。正直、私は診療情報管理士ではないので、診療情報管理室の実際の業務や詳しい知識?なんてありません。

 

と言う前置きから、データ提出に関する話を、愚痴を含めてしたいと思います。

 

データ提出加算って地域包括ケア病棟の施設基準にもなってますが、この業務って何故かあんまり重要視されないんですよね。加算自体の点数の割に、業務負荷は結構大きいんですよ。さらに、これを落とすと地域包括ケア病棟が…と、責任も重大です。

 

医事課の計算がへんちくりんになっていればEFファイルのエラーは出るし、様式には肺炎の重症度とかちょっと専門的なことも入力しなければいけないので、看護師や医師に色々と聞かないとなりません。

 

ウチの病院の偉い人はシステムで適当にやるんでしょ?って感覚どころか、データ提出って何?ってレベルです。散々説明してるんですけどねぇ。

作業効率上げたくてもこんな感じなんで、協力なんてしてくれません。

体制強化したいところなんですが、蔑ろにされていることに加えて、人を増やすにも事務員なので難色を示します。さらに、せめて有料のシステムを…と言っても費用が費用がってうるさいんですよね。

地域包括ケア病棟を入れてどんだけ収益上がったか考えろよって話なんですけどねぇ。

 

と、愚痴になってしまいましたが、データ提出の内容は年々増えてきています。昨年度の改定では提出データにおいて、持参薬の情報やHファイルとして看護必要度が義務化されたり、色々と病院側も苦労させられました。

で、改定の中にFIMの報告は任意とする、とされています。大体、任意となっていたら次年度には義務に…となるのが通例ですが、今のところ今年度も任意のままというような感じらしいです。ちょっと一安心です。まだ確定では無いですけどね。

 

そんなこともあって、義務化を考えて運用を考えて院内には協力をお願いしていました。任意のままっぽいですが、どうせいずれは義務化されるだろうから、まだ任意のままっぽいってのは病院には黙ってようと思ってます。

まだ任意ですよなんて言ったら絶対やらないし、万が一、来年義務化とかになったら改定と被って絶対大変だし…

 

とりあえず、業務負荷がさらに増大!データ提出の経営面の重要性を再確認!というところで診療情報管理室の改革の必要性を訴えて、院内に協力をお願いしていこうと思います。

仕事の内容を知らなくても、問題点や課題、改善策くらいは考えることはできますから。

 

地域包括ケア病棟のリハビリテーションについて

施設基準の中にリハビリテーションの提供について書かれています。

 

 

これについて、他の病院から提供の体制について結構聞かれます。

1日平均2単位って結構厳しいように聞こえるらしいです。週に14単位ということは、土日やらないなら1日3〜4単位ですからね。急性期から転換するような病床なんかは割とリハビリセラピストが足らなくなるとか、そんな話を聞きます。

 

ウチの病院はリハビリセラピストが豊富なので、患者によっては回復期リハビリテーション病棟並みにリハビリテーションを提供しています。

そんな話をすると今度は、持ち出しになるんじゃないですか?って言われるんですよね。安易にそう考えるのってナンセンスだと思います。

確かに、7単位、8単位提供すると脳血管リハなら18000円から20000円弱が包括になりますから、それだけみると赤字?に見えますが、そんな患者って20人も30人もいるかっていうと、いないですよ。そんなにいるならちょっと頑張って回復期リハビリテーション病棟目指すべきです。

5人、6人そんな人がいたとしても、他の30人、40人で稼げばいいわけです。本当に必要な人だけに、必要な期間だけ集中的にリハビリテーションを行えば、平均2単位なんてそんな難しいことではありません。ウチの病院のスタッフにもよく言いますが、患者単位の考え方はやめて、最低でも病棟単位、できれば病院単位で考えてくれ、ということです。

 

話を聞く限りでは、この持ち出しになるという考え方が、平成2単位の達成の足かせになっているように思います。

 

一口にリハビリテーションと言っても、疾患別リハには該当しないような、ポイントオブケアのようなものだけで良い患者もいれば、集団訓練に参加させれば良いような患者もいます。

考え方や提供の仕方でこの部分はクリアできる可能性はあると思いますので、いろんな視点で考えてみるのがいいと思います。

介護保険を申請中の目標設定等支援・管理料について

先日、目標設定等支援・管理料について新たに疑義解釈が出ましたね

平成28年度診療報酬改定について |厚生労働省

 

まず、転院の場合に3月以内に前医でやっていても算定できますよ、という点。

最初、どこかの診療報酬改定説明会に参加したときは、この管理料は患者単位ですよ、ということだったので、算定タイミングの為に前医の算定日を一応チェックしてました。起算日から期限までの3分の1を超えていたら、前医の算定状況は欲しいので、これは継続しようと思います。まあ、算定していたら患者がシートを持っているでしょうし、リハサマリーにもあるだろうから、そんな大変じゃないですけどね。

 

で、次は院内でも質問が多くて困ってた部分です。

介護保険を申請した後の算定のタイミングと減算のルールが書かれています。

基本的に通知があってからこの取り組みを行う、とされているので、患者に認定通知が届いた日が基準となるようです。なので、通知がきた!⇨もう3分の1を超えてる!⇨管理シート無いから減算!とはならないようです。

減算されない為には、通知の月とその翌月中に目標設定等支援・管理シートを作成しなければなりません。

ちなみにウチの病院では申請したら管理シートを作り始めています。もともと認定通知がきたらすぐに算定できるようにしていましたが、これからはゆっくり作れますね。

 

 

できたばかりの診療報酬は割と穴が多いです。なので改定で新しくできた項目で気になることは厚生局に疑義照会をするといいですよ。返事はすごい遅いですが、答えてくれます。

 

PDCAという考え方

仕事や事業の進め方で、PDCAサイクルという手法がよく用いられてます。

 

PDCAサイクルPDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

Wikipediaより抜粋

PDCAサイクル - Wikipedia

 

ざっくり言えば、一つの仕事に対して、どうやってやるかを考えて、その通りにやってみて、どうだったかを確認して、ダメなら修正や違う方法を考える、という繰り返しの作業のことですね。

 

極々当たり前のことなんですけど、その当たり前のことができてない人、組織が多いですよね。

何ででしょう?

 

よく、それは計画が実行レベルまで落とし込まれていないからとか、チェック機能に問題があるから、とかが挙げられていますね。ウチの病院では、なんかあればとりあえずその2点のどちらかを指摘しておけばいいだろう、という雰囲気です。

 

上手に回せないのは、PDCAサイクル以前の、分析がしっかりできていないから、だと思います。

何となくこれが問題だろうと思われた課題に対して計画を作って、実際やってみたら大した成果が出なかった。何でか検証してみたけどよくわからない。というケースが多いように思います。

結局これは、最初に挙げた問題や課題が、本当に問題なのか、課題をクリアしたら本当に成果がでるのかをしっかり検証していないから起こってしまっているのだと思います。

この本当に問題となっているのかを捉えるためには、分析や仮説思考が大切になります。

何となくではなく、客観的事実のもとに問題を捉えること、これが最も重要だとわたしは思います。

これから医療事務もオートメーション化が進んでいくと思いますので、病院事務はこれを磨いていくべきだと思います。

地域包括ケア病棟をどう考えるか

なんとなく感じていることですが…地域包括ケア病棟をどう使えばいいのか、まだあまり理解されてないように思います。

ウチの病院はこの地域では最も早く地域包括ケア病棟を導入し、稼働も比較的高い水準にあるようです。この地域における地域包括ケア病棟の先駆け的な感じになっていて、近隣のいくつかの病院も話を聞きに来てくれます。

 

よく聞かれるのが以下のようなことです。

  • どういう患者が対象になるのか
  • どうやって患者を確保しているのか
  • 病棟内ではどのようなことをやるのか
  • 回復期リハビリテーション病棟と比較して、リハビリ提供量はやはり少ないのか

今回は、どういう患者が対象になるのか、というところを少し語ります。

 

対象患者は必ず聞かれます。確かに要件を見ると、よくわからないんですよね。

地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料(以下「地域包括ケア病棟入院料等」という。)を算定する病棟又は病室は、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受け入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支える役割を担うものである。

要は「一定の治療は終わったけど、在宅や施設での療養に不安の残る患者を受け入れて、在宅での生活に戻るための様々な手助けを行う病棟」なので、回復期リハビリテーション病棟のようにリハビリテーションを集中的に行う必要がある患者しか受け入れられないとか、そういった患者の状態による縛りみたいなものがないです。

広くいってしまえば、回復期リハビリテーション病棟だって「一定の治療は終わったけど、在宅や施設での療養に不安の残る患者を受け入れて、在宅での生活に戻るための様々な手助けを行う病棟」に該当してしまいます。この在宅での生活に戻るための様々な手助けが「集中的なリハビリテーション」となりますから。

 

じゃあ実際にどのように答えているのか、というと、それは相手先の病院によって異なります。

例えば、急性期病院には「回復期リハビリテーション病棟の対象となる患者は回復期リハビリテーション病棟で受け入れますが、それ以外の患者はある程度の治療が終わっていれば地域包括ケア病棟で受け入れます。」と答えます。単純骨折だけど高齢のためにリハビリテーションが必要な患者、というような回復期リハビリの対象から外れる患者も、急性期病院は高回転で病床を動かすことができます。

また、同じように回復期リハビリテーション病棟を持つ病院には、「回復期リハビリテーションの期限を迎えそうな患者を、当院では引き続きゴールに向けてリハビリテーションを提供することができます。」と答えたりします。

地域に緩和ケア病棟が無ければ、地域包括ケア病棟で緩和ケアを提供することだってできます。

つまり、地域によって足りない医療を、人的資源にもよりますが、地域包括ケア病棟を活用することで高い経済性を維持しながら、提供できるわけです。

 

ちなみにウチの病院は…

  1. 回復期リハビリテーション病棟の対象外となる、個別リハビリが必要な患者
  2. 回復期リハビリテーション病棟入院料の算定期限を超えて、さらにリハビリテーションが必要な患者
  3. 在宅で生活する上でポイントオブケアリハビリが必要な患者
  4. 急性期治療は終わったが、軽い治療を継続して行う必要がある患者
  5. 糖尿病や関節リウマチ等の患者教育が必要な疾患の教育入院
  6. 介護度が高い在宅患者のレスパイト
  7. 在宅療養中にちょっとした急性疾患に罹患した患者の治療
  8. がん治療後のリハビリテーション抗悪性腫瘍剤の投与も有り)

こんな感じで医療を提供しています。相談が来てお断りするケースはあまりありません。ただ、医師の数はそこまで多くないのと診療科に偏りがあるので、医師によっては専門外すぎて診療できないケースもありますが…

 

上手に使えば、急性期病床は回転が上がるので、急性期も機会損失は減りますし高単価も維持できます。回復期も、本当にリハビリテーションが必要な患者にリハビリテーションを継続して提供することもできますし、在宅でどうしようもない患者も受け入れて十分なリハビリテーションを提供することができます。

個人的には、地域包括ケア病棟は、その地域にとって「痒い所に手が届く」そんな病棟ではないかと思います。

 

その他のよく聞かれることについてはまた後日まとめたいと思います。

禁煙治療のアプローチを事務視点で

禁煙治療についてちょっとした講習を受けてきました。といっても、私は看護師でも医師でもありませんので、治療方法や相談の受け方等の診療については全く興味ありません。

 

じゃあ何で受けたのか?それはもちろん、経営の為に、患者数を増やすにはどうしたらいいかを考えるため、です。

 

禁煙治療を拡大したいと思っても、ただウチの病院でやってます、程度の広報じゃダメなんです。今のウチの広報はまさにソレです。

医療者はどうやって、どこからアプローチをするのか知りたかったので参加させてもらいました。

 

結果、かなり良いお話を聞くことができました。また、診療報酬改定により対象が拡大されてから、年齢層も幅広くなっているようです。

 

ニーズに合わせた提供や健診部門からのアプローチや広報、ポスター作り等、色々提案していきたいと思います。