査定や返戻は業務最適化への切口にもなると思う
以前、他の検査で代替できない理由を書かなければならない検査の話をしました。
あの後、その検査について、臨床検査科に査定があることとオーダーセットの組み直しの依頼をしましたが…
その検査について、たまたま医師と話をする機会があったので、要件を説明して、算定時に削除していいか、聞いてみたところ快諾してくれました。
というか、ほとんどみてないそうで、やはりオーダーセットにあるからやっている、というニュアンスでした。
で、臨床検査科がセットの組み直しをしている間は、医事課では取り込まれたものから削除して算定をする対応をしました。
理由を書かなければ算定できませんし、医師は理由を書きませんから。
ところが、臨床検査科にとってはこれが面白くなかったようです。多分、検査件数実績が減るとか、自分たちの実績に響くとかそういうことを考えているのでしょうか。
検査委員会でも、自分たちはこれだけ検査をやっている、これだけ医師に追加検査を具申したから単価に貢献してる、とかいう自慢話を延々聞かされましたが、事務からしたら算定に結びつかなければ…という感じで、実際に単価に貢献していないので、自慢されてもねぇ。
結局は医師の了解の下にオーダーセットをこっちで修正しました。臨床検査科では対応してもらえませんでしたよ。
これに限らず、自分達がやっていることが査定や返戻の対象とされて何とも思わないんですかね。無駄を省くとかそういうことを考えないんですかね。
査定や返戻は嫌なものですが、ある意味業務最適化の一つのきっかけになるのではないかと思います。
我々は医師に言われたらやるしかない、仕方ないって言うのは、専門職として何か違うんじゃないですかね。まあ、こんなことウチの病院だけだと思いますけど。
FIM実績指数の報告月です
回復期リハビリテーション病棟を持つ病院を大いに悩ませた、FIM実績指数。ついに初回報告の月となってしまいました。
様式45という書式で報告するわけですが、この書式、すごく面倒なんですよね。7月報告や他の届け出と違って、単位数や入退院数を4月1日以降に入棟した患者に絞って計算しなければならないからです。
とりあえず、結果としては40弱となかなかの数値が出ました。色々鑑みて、計算から除外する患者が結構効いたな〜、という感じです。
他の病院はどうだったんでしょうか?
先日、回復期リハビリテーション病棟協会から緊急調査みたいな感じでアンケートがきて返信しましたが…いつ出るかは知りませんが、結果が楽しみですね。
FIM実績指数向上を事務的に考える
来月から報告が始まりますFIM実績指数。様々な病院がこの数値を上げたいと考えていることでしょう。
FIM実績指数の登場によって、回復期リハビリテーション病棟を運営する病院にとって、管理指標が増える、考え方を変える等、その運営方法を大きく変える必要が出てきてしまいました。
FIM実績指数については下記の記事をご参照下さい
http://az-jun-iji.hatenadiary.jp/entry/2016/03/23/232626
http://az-jun-iji.hatenadiary.jp/entry/2016/05/06/223235
さて、今回はFIM実績指数の向上をテーマに、少し整理をしたいと思います。
FIM実績指数を上げるには、①FIMの利得を増やすこと、②在院日数を縮小すること、この2つを考えてあげればいいですね。計算式はどれだけ少ない期間でどれだけFIM利得を稼いだか、です。
①FIM利得を増やす
良く言われるのは術後や発症後の早期受入・介入です。早く介入すれば機能は改善しやすいと言われていて、実際にその傾向が見られるようです。これは回復期リハビリテーション病棟協会や様々な学会、厚生労働省等でそれを示唆する資料が出ています。
実際にどうか、ウチの病院のデータで検証してみました。
疾患別リハビリテーションの起算日から回復期リハビリテーション病棟に入るまでの日数を10日毎の階級別にFIM実績指数を集計したところ、10日以内では約50となっていましたが20日以内では約40、60日以内では30弱となりました。(脳血管疾患等リハビリテーション料の対象患者です。)
というわけで、まだデータは少なく分析は必要なのですが、早期受入は効果がありそうです。また、急性期病棟はさっさと患者を出したいところが多いそうですから、稼働対策にもなりますね。
②在院日数の縮小
最も有効な手段は退院支援です。といっても何をすれば…となりますが。
早期退院を目指す際に最も求められることは「患者又は介護者のニーズを満たしてあげる」ことだと思います。
患者や家族は在宅生活の不安や負担を極力無くしたいのですから、ライフスタイルに合ったサービスの紹介をするために手広く地域連携を考えたり、医療必要度が高くても、病院からの訪問看護や訪問リハを提供したり、緊急時の対応として自分の病院を選択肢の一つとして提案する等、方法は様々だと思います。
個人的には退院後のアフターフォローをどう考えるかが最も重要なのではないかなと思います。実際に上に挙げたような取り組みは、キチンと診療報酬でも評価されていますから。
というわけで、一口にFIM実績指数を上げたいと考えても、その取り組みには様々な部門が関わらなければなりません。チーム医療の重要性については前々から取り上げられていますが、今提唱されている支える医療に対しては、より重要と言わざるを得ないと思います。
当院でも部門の垣根を超えた議論を期待したいところではありますが、まだまだ難しそうです。
当直中に何をするか
事務当直、まあ大体は急患対応したり電話とったり、鍵締めの巡廻したり、という感じでしょうか。
救急をバリバリ受けるようなところは守衛含めて3人から複数名で対応するのでしょう。もしくはそれ専門の派遣やアルバイトでしょうか。
ウチの病院は、近くの救急が手一杯だったり満床の時に受け入れするくらいで、救急はそこまで多くありません。なので暇です。1人しかいませんが、暇です、結構。
そんな暇な当直中、何をしているのか、というと
何もしません
何もしないというより、仕事をしないってことですね。結構みんな自分の業務をやってたりしますが、私はできるだけそういう仕事をしないようにしています。怠いし。
時間の使い方は人それぞれです。
私は小説が好きなので、買ってあった小説を読んだり自己啓発本を読んだりしてます。割と静かなのでゆっくり読めるんですよね。
翌日は午前中はまだ居なきゃいけないので、朝ご飯食べたらまた業務に戻ります。そんで正午になったらさっくり帰ります。
当直は嫌ですけど、ゆっくり読書できる貴重な時間
そして手当ても出ますので、慣れればそう悪いもんでも無いです。
まあ無いに越したことはありませんが。
文句しか言わない人が多いこと…
忙しい!何とかしよう!
と思いませんか、普通。そう思えない人とは仕事したくないです。そもそも、正職員であるなら、生産性を高めようするのは普通、当たり前のことだと思うんですよね。この、忙しいから何とかしよう、というのは生産性を高めるのと同義だと思います。
生産性を高めようと思ったときに何を改善するか、と言ったらそれは「時間」「収益」「費用」です。
業務効率を上げて一つの仕事に対する時間を減らす
とにかく稼いで売り上げを上げる
残業を減らして残業代という費用を減らす
等々、例を挙げればキリが無いですが、まあ色々あります。医事課で言えば、外来患者1人に対する会計計算時間を減らしたり、レセプトのスピードを上げたり、算定漏れチェックを強化したり…
ただ、例えば、査定を減らすためにレセプト点検頑張ったけど残業が増えた、とか、そんな本末顛倒な状況に陥ってる人もいました。大体は、ちゃんとした計画を練っていなかったり、客観的に現状を捉えられていないことが原因です。
業務改善のポイントは、まずゴールをイメージすること、そして現状を客観的に捉えてゴールに向かってしっかりとした計画を練ること、です。
で、実際にやってみて、自分なりに評価をして、直せるとこは直していく…ということを繋げていく。
まあ、PDCAサイクルを回す、ということですね。どうやってやっていけばいいのかわからないなら、今は色んな本が出てるので読んで実践したり、上司とか先輩とかを使えば良いと思います。そこで断るような上司や先輩なら、その職場はきっとそこまでなんだと思います。
日々の仕事が忙しくてそんなことやってられないよ!と言う人もいます。でも、やってらんないくらい忙しいなら、やるべきなんです。
最初は苦しいかもしれませんが、その最初の一週間でも一ヶ月でも頑張れば、その後ずっとラクになりますよ。ラクになれば時間が作れて色んなことにチャレンジすることだってできます。
文句言ってもいいとは思いますけど、自分が動かないと何にも変わりません。文句だけ一丁前の人とは一緒に仕事したくないですね。
医療専門職の経営意識
放射線科や理学療法科、栄養科といった、医師以外の医療従事者が所属する部門って、診療収益を上げたいとかそういう経営的なことって考えないのでしょうか?
今回はそんなお話。
平成28年度診療報酬改定において、栄養指導料の点数が増点となりました。ちょっと気になって、うちの病院の算定件数を前年度と比較してみたところ、なんと前年度の半分程度だったことが判明しました。
普通の感覚でいけば、点数も対象患者も増えたわけですから、増やそうって考えるもんだと思っていたんですが…実態はこんな感じでした。
話を聞いてみると、医師がオーダーしないから…と、自分たちは悪くない、むしろ医事課が増やせって医師に言わないからなんじゃないの?という感じで言われたわけです。
まさか医事課のせいにされるとは思いませんでした。
当然、医事課としては増点という評価だけでなく、診療報酬上で重要視されている等、社会的評価も含めて説明はしています。ですが、実際に指導するのは栄養科ですから、いくら医事課が説明したところで、お金の話にしかならず、栄養士がしっかり必要性等も含めて訴えないと増えるわけありません。
ウチの病院の理念に、チーム医療という言葉が使われています。医師からのオーダーが無いから何もしない、というのは患者にとってプラスのチーム医療なんでしょうかね。
今回は栄養科の事例を挙げましたけど、ウチの病院ではどの部門でもある話です。
5年後の自分へ!
はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」
とりあえず仕事目線で…
5年後、何をしているんでしょう?
今の職場にいるか、それとも転勤して違う病院にいるか、本社にいるか…
それとも転職しているのかもしれませんね。
ただ、どこにいても仕事の問題を解決することに対して楽しんでいてほしいですね。
それが大きいことでも小さいことでも。
早く帰れてるといいけど、どう?