病院事務総合職の日記帳

病院事務(総合職)のお仕事を愚痴りながら紹介します

多発性筋炎は脳血管リハ

リハビリ科から多発性筋炎は運動器リハビリテーション料で算定で良いですか?と、医事課に質問がきました。

 

医事課的には、診療報酬早見表から考えるので、脳血管リハビリテーション料です。

 

通知の(2)に「脳血管疾患等リハビリテーション料の対象となる患者は、特掲診療料の施設基準等別表第九の五に掲げる患者であって、以下のいずれかに該当するものをいい、医師が脳血管疾患等リハビリテーションが必要であると認めるものである。」とあり、「エ、慢性の神経筋疾患とは、パーキンソン病脊髄小脳変性症、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、遺伝性運動感覚ニューロパチー、末梢神経障害、皮膚筋炎、多発性筋炎等をいう。」

と、ありますから。

 

で、思うのは、こういう質問って、逆に医事課から質問が出るような内容だと思うんですよね。

だって、多発性筋炎がどんな病気で、どんな症状があって、どんな治療をするものか事務はわかりませんから。そもそも多発性筋炎って何ですか?という話です。

多発性筋炎は、全身の骨格筋の炎症を基本的病変とする全身性炎症性疾患、だそうです。

よく分かりませんね。言葉だけみると慢性の運動器疾患にも見えなくはないですが、その疾患の本質はわかりません。

 

つまり、単純に多発性筋炎って運動器ですか?なんて聞かれたところで、事務は「はぁ?」って感じなんですよ。そんなことそっちで医師と相談して考えろ、と思います。

今回みたいに明確に記載されているものは事務で判別できますが、記載されていない、マイナー?な疾患はやはり専門職がまず判断をすべきだと思います。

 

あと、腰痛症でリハビリテーション料を算定しようとしてた時はびっくりしました。

 

リハ科は疾患はあまり気にしないんですかね?とりあえずリハビリテーションをやればいい、みたいな。そんな感じなんでしょうか?

システムの活用は苦手?

医事システムの管理を任されていますが、今は診療会計から離れて、レセもあまり見ていない状態です。

 

4月から2週間に1日だけ、システム管理に半日じっくりみるための時間を設けてみています。

自分が今の病院に来てからずっと使っているシステムで、仕様やらマニュアルやら機能やらは、担当になるまで知らないまま使っていました。

 

いざ担当になって仕様やら機能やらのチェックから始めてみたんですが、結構色んな機能があるんですよね。過去に前任者に聞いて、そんなの無いよって言われた機能もいっぱいありました。

 

自分が使っている時は、こんな機能無いの?とか聞いていたんですが、案外そういうことを聞いてくる人っていないんですね〜。担当になって気づきました。

 

機械に任せれば1時間かかる仕事が5分で終わるのに、オートメーション化したいとか、そういう風に思わないのかな。そういう意見がシステムの進化に繋がって、業務の効率化にも繋がるんですけどね。

 

今のシステムって、併算定不可とか点数マッチエラーとか、しっかり設定してあげれば、会計を作る段階でにわかるようになってるんですよね。

 

昨年から診療会計の現場から離れているので、新採用医薬品とか、検査とかそういう情報はやはり現場から逐次欲しいもんなんですけど、何も言ってこないんです。

後で返戻や査定の取りまとめをしたときに発覚とかザラにあります。

 

何ができて何ができないのかわからないから、何を伝えれば良いかわからないって言われたんですけど、わからないから何でも相談できると思うんですよね。できるかできないか、わかるのはその後で良いんですよ。

 

こうしたらもっと良くなるとか、こうなれば良いのに、とか、何も考えずに仕事しちゃってるだけのような気がしますが、きっとシステムを使うことが苦手な人が多いのかなとも思いました。

とりあえず言っておけばいいみたいな風潮

費用削減を名目に時間外給与を減らしましょうという動きがあります。ようは残業減らせってことです。

 

大体こういうのって、課題として挙げたものの、挙げた奴が課題意識を持ってないんですよね。ウチの病院がそうです。

 

残業減らすためにスキルアップを!

残業減らすために効率化を!

 

って言われるんですけど、個人の問題にされちゃって、組織の課題にできていないんです。

さらに言うと、言われた人達も当事者意識かありません。誰かが何とかしてくれるでしょ、って姿勢が出ちゃってるんですよね。だから何もしない。何もできない。何も考えられない。

 

そして経営監査で「言ってはいるんですけどね〜…」みたいなやりとりが出てきます。

 

問題の本質を捉えられないリーダーだらけで困ります。

病院企画の仕事

病院の事務といっても、医療事務だけでなく、庶務や経理、施設、営業等があったりします。

その中で、今回は「企画」という部署についてちょっと触れてみたいと思います。
 
病院によってその役割や名称は異なるとは思いますが、ウチの病院で言う企画は、経営を考える部署として動いています。
ただ、経営に必要なデータを集めて運営会議で報告し、必要があれば経営者だけが納得できる分析をして終わり、ということがほとんどです。(ウチはね…)
 
データも分析資料も使わなければ無価値です。ああ、そうなんだ、で終わる資料に意味はありません。作る側の質ももちろん求められますが、受ける側、使う側の質が最も重要です。
 
病院経営を考える上で、こういった企画のような部門は非常に重要と言えますが、使いこなせている病院ははたしてどのくらいあるのでしょうか。
 
実情として、慣例的に会議で使う資料を作らされますが、ハッキリ言えばクソみたいなもんです。何も言われないし、そこから何も生まれません。
また、こうしたいからこういうデータを集めて分析してくれ、と言われたこともありません。
うちの病院はどこへ向かうのか、舵取りをしてくれる人がいないのも困ったもんです。

言い方が悪いと言うだけの批判

医事課と企画課の兼務状態なので、経営状況や院内のベッドコントロールといった運用に口を出しまくり、新しい提案をしまくります。課題を解決するために、事業計画を達成するために。

現場の比較的若い職員や管理職は理解を示してくれ、協力してくれるんですが、経営幹部は決まってこう言います。

「言い方が悪い。」

つまり生意気ってことをなんでしょう。はたまたそんなことは分かっている、ということでしょうか。

でも、実際は、伝えれば現場は理解してくれ動いてくれます。分かっていたなら何故やらないのでしょうか?現場では(一部の部署を除いて)生意気な若造が言ったって動いてくれるわけですから、トップが言えばもっと早く動くと思います。

私の目標は事業計画達成です。計画達成して人事考課A評価以上をもらい、賞与も計画以上をもらうことです。その為に経営状況や院内の運用を徹底的に客観的に分析して課題を見つけ、問題解決のプロセスを考えます。そしてそれを伝えて、チェック&フォローをします。
数字をそのまま伝えるのが言い方が悪いと言いますが、そこをオブラートに包んでやんわりと言ったところで危機感まで伝わるのでしょうか?

ただ、現場に伝わってもトップには伝わっていないということですので、両方にしっかり伝わるように改善はしなければなりません。

普通逆だと思うんですけどね…

他の検査で代替できない理由を記載すること

支払基金から指摘を受けました、他の検査で代替できない理由を記載して下さい、と。

今回の改定では企画に回っていたので、各項目の細かい細かいところはあまり見ていませんでした。まあ、私が隅から隅まで見るのもおかしな話ですが。

従来のリウマトイド因子半定量のように、他の検査で代替できない理由を記載しなければならない検査って結構あるんですね…
そんな検査でウチの病院はヘパプラスチンテストとZTTが指摘されました。

医師にこの理由を聞いても、レセプトに書けるようなまともな回答はきませんので困ったもんです。
ただ、点数自体大したことはないので、査定されたところでたかが知れてるわけで、よくわからんもんに時間をかけるのはもったいないです。

だから指摘に対してあえて「査定して下さい」と回答しました。何も言わないと返戻になるでしょうし、戻ってきたらそれはそれで面倒です。
そんな査定を防ぐより、リハビリ総合計画評価料とか色んな指導料の算定を1件でも増やした方が良いですから。

ただ、実際何のためにこの検査をしているんでしょうか?何となく気にはなりますね。
オーダーシステムにセット登録されてるから、とかくだらない理由じゃなければ良いですが(笑)

改定対応は現場に丸投げ

病院経営・運営は診療報酬点数表に振り回されます。

これはどんな病院でもそうなんだと思います。

ここ最近の診療報酬改定は単なる点数の改定ではなく、病院の方向性や人の働き方にまで口を出してきていますので、その傾向はより強くなっているんじゃないでしょうか。

 

ウチの病院では、今回の改定でリハビリテーション関連に大きな影響がでてしまったので、現場はどう対応していくか、医事課によく相談しにきてくれました。

しかし、焦るのは現場であって、経営陣は他人事です。これには大きく悩まされました。

 

今回の改定で、大きな運用変更を余儀なくされたのは、入院患者のADL評価でした。

当院ではすべての病棟において、BI(Barthel Index)という評価する側が比較的わかりやすい指標を用いていたのですが、回復期リハビリテーション病棟の実績報告ではFIM( Functional Independence Measure)という指標を使わなければならず、4月からそれに対応せざるを得なかったわけです。

院内のADL評価をBIからFIMに変えなくてはならず、FIMはBIに比べて評価項目、評価段階が細かいため、リハビリセラピストは問題なかったのですが、看護師を早急に教育する必要がありました。

リハビリセラピストは、リハビリの時間だけ患者と接するわけで、常に患者と接しているのは看護師です。トイレ動作、お風呂動作といった、日常の機能についてはリハビリセラピストよりも看護師の方が見る機会も多いですし、FIMの基礎知識がなければ担当するリハビリセラピストにも正しい情報が行きません。

 

院内の機能評価をBIからFIMへ一斉に変えるわけですから、医師や他のスタッフの理解を得る以上、経営陣がやはり決めてほしい部分ではあります。トップダウンというやつです。

医事課が、こういう要件がついてしまった以上FIMに変えなくてはならない、と言ったところで、臨床上のことですから、事務があれこれ決めるのはやはり問題があるでしょうし、スタッフも事務のくせに臨床に口を出すな、となるでしょう。

今回、BIからFIMへの運用変更は結局現場主導、そして丸投げという状況に陥りました。陥った結果、一般病棟と一部の医師は我関せずを決め込んでしまっています。

その結果、回復期リハ病棟のスタッフはかなり苦労を強いられています。幸い、一般病棟のスタッフは説得して協力してくれるようになりましたが…

 

今回、改定の中のFIMを例にしましたが、これに限らず経営陣は診療報酬改定に対して他人事なんですよね。

聞いたところで良くわからない、と言われましたが、こっちからしたら言ったところで理解する気が無いでしょ?と思います。こちらは何度も説明会を開いているのに、参加すらしないわけですから。

今後の診療報酬改定を考えたら、新しい基準の取得や施設基準のランクアップをこれからも考えなければなりません。5年後、10年後、ウチの病院はどんな病院になるのでしょう?ビジョンが見えなければスタッフも患者も離れていくばかりではないでしょうか?

 

施設基準、取れそうなら取って、じゃないんですよ。

取るために何をするかを考えてください。考えられないのであれば、取るために何をすればいいか考えろ、と言ってください。